カナダっていいとこ?

カナダ在住40年余の私に初孫が与えられたのを契機にこのブログを始めました。カナダのことや私の生活のことなどシェアさせていただければ幸いです。

カリブ海クルーズ: 「ディープ・シー・フィッシング」顛末記

今回のカリブ海クルーズは連日晴天に恵まれ、気温は常に30℃前後で寒さにあえぐトロントの日常を忘れさせてくれたことは言うまでもない。今まで行ったことのない場所を訪れ、船の食事は食べ放題、メインステージでの毎晩のショーもとてもハイレベルで楽しめた。ただ一つ、私にとっては非常に残念な出来事があった。

船が停泊するところで私たちはオプショナルツアーを選んでガイド付きの短時間の現地見物に行った。全部で四つのツアーを選んだがどれもいちばん安いクラスの1時間前後のものばかりだった。ただ一つだけ私一人で4時間のツアーをメキシコのコズメルというところで選んだ。「Deep Sea Fishing」というものだった。私はいつもトロントの家の近くの湖とか、それ以前もトロント周辺の湖や川でしか釣りをしたことがなかった。釣る魚はブラックバスかウオールアイなどと呼ばれるものぐらいか、あるい雑魚の手合いばかりだった。昔、バンクーバーにいたころは別として、トロントに来てからは海釣りをしたことがなかった。

それだけに大枚160米ドルを払ったメキシコでの「ディープ・シー・フィッシング」には大きな期待を寄せていた。私はてっきりフィッシングボートに乗って魚のいそうなところまで連れて行ってもらって、そこで参加者が自分たちで釣りをするものとばかり思いこんでいた。ところが現実は6人のツアー参加者は、ただただボートの後部に取り付けた4本の釣り竿から流されるイワシのような魚の餌を針先にひっかけたラインがトローリングされているのを眺めているだけということが分かった。ボートには二人のスタッフが乗っており、一人は操縦者、もう一人が助手で、助手が時折、餌の取り換えをしていた。

ディープ・シーというだけあってボートが進むところは海の色が違った。青黒いという表現がぴったりでいかにも深そう。しかもボートの揺れ方が半端じゃない。幸い私は船にだけは昔から強く、船酔いというのをほとんどしたことがない。6人の参加者のうち一人だけいた女性はさすがにむかついていたようだったがほかの5人は皆大丈夫だった。結局、4時間のトローリングの結果、獲物は1匹もなし。参加者の誰一人として文句を言う様子もなかった。もちろん私も内心の落胆、失望の色は顔に出さず、「サンキュー」と言って下船した。

f:id:yoshitorontox:20181205054738j:plain

ディープ・シー・フィッシングに行ったボート