カナダっていいとこ?

カナダ在住40年余の私に初孫が与えられたのを契機にこのブログを始めました。カナダのことや私の生活のことなどシェアさせていただければ幸いです。

カリブ海クルーズ: クルーズ船が闇夜の海上に漂流する小船発見

西部カリブ海諸国クルーズの第3日目は、1日中、海の上。見渡す限り真っ青な海と青い空しか見えないところを巨船はひたすらまっすぐ進む。3年前に行ったアラスカクルーズは、バンクーバーを出港してからカナダBC州の沿岸沿いやアラスカ州に入っても陸地沿いの海や内海みたいなところを進んで行ったので、操船クルーは大変だったろうが、我々船客は美しい変化に富んだ景色を楽しむことができた。それと違ってカリブ海のクルーズは海の真っただ中をまっすぐ航行するので、クルーは楽だろうが客はやや退屈気味。

それでも、夜になってハプニングが起きた。急にアナウンスがあって、「進行方向右側で緊急信号を発信している船を発見したので停船し、救援に向かう」と伝えた。自室のデッキに立って闇夜の海上はるかに目をこらすと、確かに青のライトが点滅していた。さらに船内放送があって「相手の船は燃料切れになったということなので、わが船の救命艇を1隻送り、タンクに入れたディーゼルオイルを手渡す」という。救命艇がクレーンで降ろされ、数百メートル離れた洋上で漂流している小船に向かって出発した。見物に集まった船客たちが拍手して見送った。

穏やかな海の上ではないので2隻の小船が大揺れに揺れている中、懸命に接近しているのが見える。かれこれ1時間近く費やして救命艇が帰ってきた。この話にはちょっとしたオチがあって、結局、一生懸命、救命艇でディーゼルオイルを届けたが、相手の小船が普通のガソリンエンジン使用のものだったために残念ながら役には立たなかったのだそうだ。船内放送では「いちばん近くにある港の海難救助本部に連絡を取ったのでそちらから救助に向かっている」と知らされた。この広い洋上、漂流する小船のところまで救助船(あるいは救助機)が到達するまでどのくらいかかるのだろうかと思わずにはおれなかった。真っ暗な海の上、ガス欠で漂流する小船に乗る人たちは相当なガッツがないと堪えられないのではなかろうか。