カナダっていいとこ?

カナダ在住40年余の私に初孫が与えられたのを契機にこのブログを始めました。カナダのことや私の生活のことなどシェアさせていただければ幸いです。

「NAFTA(ナフタ)がナフナッタ!」

1994年にカナダとアメリカとメキシコの間で関税撤廃を目的とする北米自由貿易協定NAFTA)」が発効してから20年以上たった一昨年ごろから、米大統領選に立候補したトランプ候補が「NAFTA のおかげで米国の雇用が大量に奪われた」というキャンペーンを立ち上げた。やり玉に挙げたのが自動車産業だ。日本車などのメーカーがこぞってカナダ、メキシコに進出、生産した車をどんどん米国などに輸出した。トランプ候補が大統領に就任してから「米国の雇用を奪ったNAFTA は再交渉をして内容を変えないとだめだ」と主張し始めた。メキシコとの再交渉は今年8月に終わったがカナダとの再交渉は最終締め切り日の10月1日までもつれこんだ。

最終的には3国の議会での承認を得なければ発効が確定しないが、これまでの北米自由貿易協定NAFTA)はなくなり、新たに「アメリカ・メキシコ・カナダ協定」(USMCA)という3国間の貿易協定が発足することになる。トランプ政権はカナダ、メキシコからさまざな譲歩を勝ち取り、3国以外で生産される自動車部品の使用に制限をかけたり、米国に輸入される自動車台数に新たな上限を設定する。メキシコの部品工場などの最低賃金をアップさせることなどの要求をつきつけている。カナダ側もこれまで保護的な関税で守ってきた酪農産品などの税率を引き下げるという妥協を強いられている。

トランプ大統領は常々、「NAFTA は米国民の雇用を奪い米国民は不公平な扱いを受けた」と主張しており、NAFTA という名称を毛嫌いしていた。新たに再交渉でこぎつけたUSMCA だが、このままでは今までの「ナフタ」のように簡単に読めない。順番を変えて CAMUS (カムス)とか MUSCA (ムスカ)にすれば読みやすい。しかし、アメリカファーストのトランプ大統領には到底受け入れられないだろう。USMCA は何と読んだらいいのだろうか?

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