カナダっていいとこ?

カナダ在住40年余の私に初孫が与えられたのを契機にこのブログを始めました。カナダのことや私の生活のことなどシェアさせていただければ幸いです。

カナダ徒歩横断9000キロを成就した青年

2018年2月半ば、サスカチュワン州ヨークトン出身の青年、ザイエル・ジョンストンさんは、カナダ徒歩横断の一人旅に出た。カナダの最西端、BC州ビクトリア市の太平洋岸から出発し、11月半ば、カナダの最東端、ニューファンドランド州スピアー岬に到達するまでの約9000キロ、1180万歩を歩き通した。1日平均約3万2300歩、約50キロ、雨、雪、あられ、嵐の中をひたすら歩き続けた。これまで歩いたり、走ったり、自転車などでカナダ横断を試みた人々は大抵、何らかの慈善活動や募金集めなどを目的としていた。ザイエルさんはあくまでも「自分に課したゴールを達成したかった」と語っている。

ザイエルさんは約20キロの重さのバックパックを背負って歩いたが、その中身はテント、寝袋、キャンプ用コンロ、ロング・ジョン(股引)、上下下着2組ずつ、ウールの靴下など。そのほか、母親がいつでも彼の所在地をトレースできるようにとGPSも携えていた。BC州の山々が迫る道、豪雨の中を歩きながら「誰も知らないのになんでこんなつらい苦しいことをしているんだろう」と自問自答しながら、一人歩き続けた。それから4足の靴を履きつぶした。

徒歩横断計画のために約7000ドルの予算を組んでいたが主として装備や食料のためで、9か月の間、モテルやレストランのためにお金を使ったことはほとんどないそうだ。野原や個人の家の庭先などに野宿し、時には数週間もシャワーを浴びず洗濯もできなかったこともあったという。また、ザイエルさんは横断徒歩旅行を通して見知らぬ人々からの親切に触れることが数多くあったと言っている。

11月半ば、目的地のスピアー岬に到着したザイエルさんは出発時に比べ、13.5キロもやせ、顔中、ひげが伸び放題だったが、「目的を達成し終わった時の気持ちはどんな言葉でも表せない、どんなカメラでも撮りつくせないものだった」と語っている。